2020-09

宇治拾遺物語

日蔵上人が吉野山で鬼に会った話

平安時代中期の奈良県吉野山での話。「人に恨みを残すのは、結局、自分に返ってくるものでした」。憎しみの炎にわが身をこがされた紺青の鬼が苦しみを上人に訴えます。人を喰らう鬼もいればこんな鬼もいる。鬼もいろいろ。(『宇治拾遺物語』巻第11-10「日蔵上人、吉野山にて鬼にあふ事」)
日本霊異記

力の強い女が力くらべをした話

8世紀前半の聖武天皇のころ、岐阜県での話。狐の血筋を引いた百人力の女と、雷神の申し子で強力で知られた道場法師の孫の女との力くらべが描かれています。当時の「市」の様子を垣間見ることもできます。  (『日本霊異記』中巻第4「力ある女、力くらべを試みし縁」)