2020-10

今昔物語集

藤原保昌朝臣が盗賊の袴垂に会う話

相手が武勇に優れる藤原保昌とは知らず、襲い掛かろうとする盗賊の袴垂。最後は刀を抜いて走り掛かりますが、保昌が一喝。保昌は観念した袴垂に自宅までついて来させるのですが、その理由が豪胆な者ならではもの。かえって底知れない不気味さを感じさせます。(『今昔物語集』巻第25-7「藤原保昌朝臣値盗人袴垂語」)
宇治拾遺物語

丹波国の篠村に、平茸が生える話

12世紀半ば、今の京都府亀岡市を舞台にした話。「縁が尽きて」群生していた平茸は一斉に消えてしまいますが、その理由を里の長老に夢で告げるのがボサボサ髪の法師たち。「平茸=法師」とされる不思議。その由来は宋の禅宗関係の書に?(『宇治拾遺物語』巻第1-2「丹波国篠村、平茸生ふる事」)
今昔物語集

駿河前司橘季通が、かろうじて逃げた話

駿河前司橘季通が高貴な家の女房と深い仲になりますが、その屋敷に仕える侍たちにねたまれ、袋叩きにあう危機に。女房の部屋から出れば命はない、途方に暮れる季通を、迎えに来た従者の小舎人童が、まさかの手立てで救い出す。痛快無比!(『今昔物語集』巻第23-16「駿河前司橘季通構逃語」)