古今著聞集 仁和寺の覚性法親王の寵童千手と三河の話 絵巻物を見ていると、僧に仕える稚児が数多く描かれています。性的対象にもなった稚児ですが、その姿は垂髪にして束ねたものが多く、着物は古くは水干だったそうです。今回紹介するのは、高僧に寵愛された稚児たちのちょっと切ない話。 (『古今著聞集』巻第8 好色第11「仁和寺覚性法親王の寵童千手・三河の事」) 2023.04.16 平安時代古今著聞集京都府
今昔物語集 高陽親王が人形を作って田の中に立てた話 桓武天皇の御子である高陽(賀陽)親王は、優れた細工師としても知られていました。御子が、田に立てた人形は「かかし」ではなく、ユーモラスなからくり人形。遊び心と知恵に富み、また風流人でもあったという御子の魅力に惹かれて、このエピソードを紹介します。 2022.09.19 今昔物語集平安時代京都府
今昔物語集 羅城門の上層に登って死人を見た盗人の話 芥川龍之介の『羅生門』の出典となった『今昔物語集』の作品の現代語訳。平安時代、羅城門の上層には数多くの死人が打ち捨てられていたそうです。その暗闇の中、火をともし、死人の髪をむしり取る老婆。連子窓からその様子をのぞき見た盗人が刀を抜いて走り寄る……。(『今昔物語集』巻第29-18「羅城門登上層見死人盗人語」) 2022.02.07 今昔物語集平安時代京都府
古今著聞集 宋の商人の劉文冲が、左府頼長に書籍を贈る話 教科書では、保元の乱で敗死したことで専ら知られる藤原頼長は「日本第一の大学生、和漢の才にとみて」と評された当代随一の学者であり、読書家でした。本話は、頼長の飽くなき知的探究心が垣間見えるエピソードです。 (『古今著聞集』巻第4 文学第5「宋朝商客劉文沖、左府頼長に典籍を贈る事」) 2021.12.26 平安時代古今著聞集京都府
十訓抄 「人麻呂影供」のはじまりの話 「人麻呂影供」(ひとまろえいぐ)とは、歌人が集まって「歌の聖=歌聖」として尊ばれた柿本人麻呂の肖像を祀り、和歌を詠ずる儀式のこと。本話はその由来を記しています。 (『十訓抄』第4「人の上を誡むべき事」の2) 2021.10.10 平安時代十訓抄京都府
古事談 道長の白犬が、主人の危難を告げた話 「犬は小神通の物なり」という一節が気になって、そのことを調べながら現代語訳してみました。藤原道長、安倍晴明、道摩法師(芦屋道満)と有名どころが登場します。また、白犬の活躍が本話のユニークさを際立たせています。 (『古事談』第6「亭宅諸道」の62) 2021.08.07 平安時代古事談京都府
古事談 京極大相国、蜂を飼う話 『古事談』(源顕兼 編)は、上代以来のわが国の説話460余話を、6編(第1:王道后宮、第2:臣節、第3:僧行、第4:勇士、第5:神社仏寺、第6:亭宅諸道)に分類した、鎌倉前期成立の説話集です。今回は、その中から「蜂飼大臣」として知られた京極大相国こと、藤原宗輔のちょっといい話を紹介。(『古事談』第1「王道后宮」の92) 2021.06.18 平安時代古事談京都府