一遍聖絵

今昔物語集

母牛が狼を突き殺す話

ある日、放ち飼いのまま、田んぼに置き去りにされた雌牛と子牛。夕暮れ時に、大きな狼が現れ、子牛を付け狙いますが、雌牛は、狼に向き合い、辛抱強くその襲撃を防ぎます。そして、機を見て突進、狼の腹に角を突き立てて壁に押し付け、そのまま一晩中動かずに立っていたという話です。 (『今昔物語集』巻第29-38「母牛突殺狼語」)
宇治拾遺物語

修行者が、百鬼夜行に遭う話

仏道修行のために回国行脚を続ける修行僧が、ある晩、宿泊した無人の寺で不動の呪を唱えていると、数多くの鬼たちがやって来ます。不動の呪の効力で何とか身は守れたものの、鬼たちが去った後、自分の身に想像もできないようなことが起こっていたことに気付きます。(『宇治拾遺物語』巻第1-17「修行者、百鬼夜行にあふ事」)
宇治拾遺物語

丹波国の篠村に、平茸が生える話

12世紀半ば、今の京都府亀岡市を舞台にした話。「縁が尽きて」群生していた平茸は一斉に消えてしまいますが、その理由を里の長老に夢で告げるのがボサボサ髪の法師たち。「平茸=法師」とされる不思議。その由来は宋の禅宗関係の書に?(『宇治拾遺物語』巻第1-2「丹波国篠村、平茸生ふる事」)
日本霊異記

力の強い女が力くらべをした話

8世紀前半の聖武天皇のころ、岐阜県での話。狐の血筋を引いた百人力の女と、雷神の申し子で強力で知られた道場法師の孫の女との力くらべが描かれています。当時の「市」の様子を垣間見ることもできます。  (『日本霊異記』中巻第4「力ある女、力くらべを試みし縁」)
今昔物語集

在原業平の中将の女が鬼に喰らわれてしまった話

「この世の美人は、一人残らず自分のものにしてやろう」と思っていた在原業平。評判の美人をやっとの思いで盗み出し思いを遂げたが、最後は自分の着物もとるやとらず態で逃げ去るはめに…… (『今昔物語集』巻第27-7「在原業平中将女被噉鬼語」)