十訓抄

「人麻呂影供」のはじまりの話

「人麻呂影供」(ひとまろえいぐ)とは、歌人が集まって「歌の聖=歌聖」として尊ばれた柿本人麻呂の肖像を祀り、和歌を詠ずる儀式のこと。本話はその由来を記しています。 (『十訓抄』第4「人の上を誡むべき事」の2)
古今著聞集

承安元年7月、伊豆国奥島に鬼の船が着く話

伊豆の島に漂着した「鬼」が島人を殺害し逃走したという、衝撃的な事件を取り扱った話。平安後期の日記『玉葉』にもその記載があり、本話は実際にあった事件を題材にしているとみられます。(『古今著聞集』巻第17 変化第27「承安元年7月、伊豆国奥島に鬼の船着く事」)
宇治拾遺物語

夢を買う人の話

古代では夢もまた一種の実体としてとらえられており、そこから、夢を売買する話も生まれました。「夢解き」を職業にする者もいて、鎌倉期成立の『二中歴』にはその名手の名前まで掲載されています。本話は、若き日の吉備真備が夢を買う話。(『宇治拾遺物語』巻第13-5「夢買ふ人の事」)
古事談

道長の白犬が、主人の危難を告げた話

「犬は小神通の物なり」という一節が気になって、そのことを調べながら現代語訳してみました。藤原道長、安倍晴明、道摩法師(芦屋道満)と有名どころが登場します。また、白犬の活躍が本話のユニークさを際立たせています。 (『古事談』第6「亭宅諸道」の62)
古事談

京極大相国、蜂を飼う話

『古事談』(源顕兼 編)は、上代以来のわが国の説話460余話を、6編(第1:王道后宮、第2:臣節、第3:僧行、第4:勇士、第5:神社仏寺、第6:亭宅諸道)に分類した、鎌倉前期成立の説話集です。今回は、その中から「蜂飼大臣」として知られた京極大相国こと、藤原宗輔のちょっといい話を紹介。(『古事談』第1「王道后宮」の92)
十訓抄

鴨長明の出家にまつわる話

『十訓抄』は、建長4年(1252)成立にした説話集で、10条の徳目を掲げ、それぞれの徳目にふさわしい説話を収めた幼少者用の啓蒙書です。今回は、徳目の「第9 懇望を停むべき事」の中で紹介されている、『方丈記』の著者、鴨長明の出家にまつわる話を紹介します。 (『十訓抄』第9「懇望を停むべき事」の7)
今昔物語集

土佐国の兄妹が知らない島に住む話

親と生き別れ、無人島に流されてしまった少年少女の兄妹が、島を開拓、土着繁栄していく話です。私は『ロビンソン・クルーソー』などの、いわゆる漂流・無人島漂着譚に興味がありますが、「説話」にもそうした話があるのですね。説話の世界の“豊かさ”を感じます。 (『今昔物語集』巻第26-10「土佐国妹兄行住不知島語」)