十訓抄

鴨長明の出家にまつわる話

『十訓抄』は、建長4年(1252)成立にした説話集で、10条の徳目を掲げ、それぞれの徳目にふさわしい説話を収めた幼少者用の啓蒙書です。今回は、徳目の「第9 懇望を停むべき事」の中で紹介されている、『方丈記』の著者、鴨長明の出家にまつわる話を紹介します。 (『十訓抄』第9「懇望を停むべき事」の7)
今昔物語集

土佐国の兄妹が知らない島に住む話

親と生き別れ、無人島に流されてしまった少年少女の兄妹が、島を開拓、土着繁栄していく話です。私は『ロビンソン・クルーソー』などの、いわゆる漂流・無人島漂着譚に興味がありますが、「説話」にもそうした話があるのですね。説話の世界の“豊かさ”を感じます。 (『今昔物語集』巻第26-10「土佐国妹兄行住不知島語」)
今昔物語集

近江の鯉と鰐が戦う話

鰐はサメの古称とされますが、鯉とサメが戦っても、とても勝負になるとは思えません。しかもそれが鯉の勝利で終わるという不思議な話です。この話の成立背景に、何か歴史や物語があるのか、ないのか、気になるところです。 (『今昔物語集』巻第31-36「近江鯉与鰐戦語」)
今昔物語集

母牛が狼を突き殺す話

ある日、放ち飼いのまま、田んぼに置き去りにされた雌牛と子牛。夕暮れ時に、大きな狼が現れ、子牛を付け狙いますが、雌牛は、狼に向き合い、辛抱強くその襲撃を防ぎます。そして、機を見て突進、狼の腹に角を突き立てて壁に押し付け、そのまま一晩中動かずに立っていたという話です。 (『今昔物語集』巻第29-38「母牛突殺狼語」)
今昔物語集

阿蘇史が盗人に遭ってはかり逃がれた話

「史」は、令制の四等官の最下位である「主典」(さかん)のうち、神祇官、太政官の主典のこと。本話では、主人公の阿蘇某という史が、公務を終え、夜更けに牛車に乗って家に帰る道すがら、盗人に襲われます。しかし、したたか者の史は、悠々と盗人を追い払います。そのユーモラスな「はかり事」に注目。 (『今昔物語集』巻第28-16「阿蘇史値盗人謀遁語」)
宇治拾遺物語

仮名暦をあつらえた話

仮名暦は、仮名で吉凶などの暦注を記した女性、一般庶民用の暦で、平安末期に生まれました。この話は、仮名暦の記載をめぐって引き起こされる、僧と女房の、皮肉的でまたおかしみのあるショートストーリーです。 (『宇治拾遺物語』巻第5-7「仮名暦あつらへたる事」)
古今著聞集

寛喜3年夏、高陽院の南大路にて蝦蟇合戦のこと

寛喜3年は「寛喜の飢饉」と呼ばれる全国的な大飢饉に見舞われた年で、西暦では1231年に当たります。京都では餓死者が路上に充満し、死臭が家中に及ぶという有様でした。そのような中、数千匹の蝦蟇が堀に集まり、敵味方に分かれて戦うという不思議な現象が起こります。
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