宇治拾遺物語

日蔵上人が吉野山で鬼に会った話

平安時代中期の奈良県吉野山での話。「人に恨みを残すのは、結局、自分に返ってくるものでした」。憎しみの炎にわが身をこがされた紺青の鬼が苦しみを上人に訴えます。人を喰らう鬼もいればこんな鬼もいる。鬼もいろいろ。(『宇治拾遺物語』巻第11-10「日蔵上人、吉野山にて鬼にあふ事」)
日本霊異記

力の強い女が力くらべをした話

8世紀前半の聖武天皇のころ、岐阜県での話。狐の血筋を引いた百人力の女と、雷神の申し子で強力で知られた道場法師の孫の女との力くらべが描かれています。当時の「市」の様子を垣間見ることもできます。  (『日本霊異記』中巻第4「力ある女、力くらべを試みし縁」)
日本霊異記

雷の好意で授けてもらった強力の子の話

6世紀後半の敏達天皇のころ、愛知県と奈良県での話。頭に蛇が二重に巻きつき、蛇の首と尾が背中に垂れている姿で生まれた雷神の申し子(後の道情法師)が、王との力くらべや元興寺の鬼退治、水利争いで活躍します。 (『日本霊異記』上巻第3「電の憙を得て、生ましめし子の強力在りし縁」)
日本霊異記

狐を妻として子を生ませた話

6世紀中ごろの欽明天皇のころ、岐阜県での話です。キツネ(狐)の語源譚としても知られています。 (『日本霊異記』上巻第2「狐を妻として子を生ましめし縁」)
今昔物語集

三条東洞院の鬼殿の霊のこと

平安遷都以前から、今の京都市中京区に住んでいた男の霊の話です。不運な男の霊ですが、出典の『今昔物語集』が成立したころにもいたとされているので、少なくとも300年以上はこの世にとどまっていたことになります。今はもうさすがに成仏したのでしょうか…… (『今昔物語集』巻第27-1「三条東洞院鬼殿霊語」)
古今著聞集

刑部卿敦兼の夫人、夫の朗詠に感じ入り、夫婦仲を深くすること

妻の不機嫌に振り回される夫。篳篥(ひちりき)の名手、藤原敦兼の夫としての哀愁と優しさが心に染みます…… (『古今著聞集』巻第8 好色第11「刑部卿敦兼の北の方、夫の朗詠に感じ契を深うする事」)
今昔物語集

九条堀河に住む女、夫を殺して泣くこと

夜、内裏の東南から女の泣く声が聞こえる。醍醐天皇は蔵人に女を捜すよう命じたが、近くには人の気配さえない。蔵人は、夜更けに大勢を引き連れて京中を捜し回ることに。天皇が執拗に女を捜させた理由は? (『今昔物語集』巻第29-14「九条堀河住女殺夫哭語」)
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